■これだけ大勢の人にオナペットの対象にされて、実際のところどんな気持ちです?いい気分ですか?それともただ茫然としちゃいます?
「すごく嬉しいわよ。みんなが自分の写真を見ただけで興奮するって知ってたら嬉しくならない?ほんとありがたい気分だわ。だってみんなから魅力的だと思われているってことでしょ。わたしだって、すてきな男の写真見たらぐっと来ることがあるもの。だからわたしの姿を見て興奮する人がいるっていうのはわかるわ。つまりわたしはそういう人たちに影響を与えて、気持ちを動かしるってわけ。性的に人を興奮させるのは、全然悪いことじゃないわ。どうしてわたしが傷つかなきゃいけないの?」

■そもそも写真集のアイデアはどこから出たのですか?
「あちこちからアプローチは受けてたの。写真をっていうんじゃなくて、本を書かないかっていう話だけど。それで考えるようになってきて、書くことにも興味が出てきた。カメラマンのスティーブン・マイゼルは、いい友達。わたしたちいろんなことを一緒にやってきたけど、スティーブンはハーブ・リッツやブルース・ウェバーと違って写真集を出したことがなかったのよ。だからわたし言ったの、『本を出してみれば?』。そしたら彼が『きみとぼくでやってみない?』って。で、ふたりのアイデアを一緒にすることにしたの」

■この写真集に対する反応からすると、若年層のマドンナ・ファンがかなり離れていくのではないかという気もしますけれど。
「わたしは心配してないわ。これは大人向けの本だもの」

■これだけたくさんの若いファンがいるのに、大人向けの本を出すのですか?
「でも若いファンが多いからって、子供にわかるようなアートしか作っちゃいけないってことにはならないわ。つまり、わたし自身がもう大人なんだから、わたしの言うことに中には、子供に聞かせられないようなものもたくさんあるわけ。そんなのわたしの責任じゃないのよ。これは子供用の本じゃない。写真は子供たちが見たってある程度わかるだろうけど、でも文を読んで、あちこちにある皮肉とかユーモアを理解できなければ、本全体を理解したことにはならない。それにこの本は“成人向け”ってちゃんとステッカーがついてるわ。それくらいしか責任の取りようがないでしょ。わたしは自分の考え方を変えるつもりはないわ」

■ああいう写真を撮られて、純粋にエロティックだと感じましたか?それともむしろビジネスとして捉えていたのですか?
「撮影の間はほんと楽しかったわ。最初から最後まで。ほら、アメリカはすごく保守的な考え方をするようになってきてるでしょ。だからこういう本を出すにはちょうどいい時期なのよ。成功して幸せになれるのは世界でヘテロセクシュアルの白人男性だけだっていうのは、わたしの考え方からすればファシズムと同じ。わたしはこれからもそういう考え方と闘っていくつもり、レイシズムや性差別やホモ嫌悪や、そういったすべての異常な恐怖症に反対してきたのと同じようにね・・・・・。最初は『SEX』をインストラクション・ブックとして考えてたの。あの本でわたしはこう言ってるのよ。世界にはいろんな人がいて、ありとあらゆることをやってる。ここに載ってるのもその一部なの、ってね。それに楽しんでもらうつもりでいるの。誰もが自分自身のファンタジーを実現すべきだと思う。たとえばSMに夢中になったとしても、それで恥ずかしく思う必要はないのよ。虐待とは全然関係ないんだもの。大人同士の了解の上で行われてることだわ。わたしは無責任に他人を暴力や危険な行為に駆り立ててるわけじゃない」

■しかし、『SEX』も『エロティカ』も、センセーショナルでショッキングな領域へとさらに踏み込んだもののように見えます。狙いはショックを与えることにあるのでしょうか。
「わたしの狙いは、自分の夢やファンタジーを描き出すこと。みんながこういうふうに考えなくちゃいけないとか、これを認めてくれなきゃいけないとか、わたしがやるようにやらなきゃだめだとか、そんなこと言ってるじゃない。あれはわたしの夢、わたしの考えなの。あれがわたしにとっておもしろいこと。それで驚くのなら、それはみんなの問題よ。みんなにわだかまりがあるんだわ。とにかく楽しんでほしいの。だってあの本はすごくおもしろいものなんだから。おかしい文章もいっぱい。おもしろがるか性的に気分を高めるか、なにがしの楽しみ方をしてほしいわ」

■では、この本もあなたの「ジャスティファイ・マイ・ラブ」のビデオのように、論議を煽ってセールスを伸ばすため、一部の地域で発禁処分になることを狙って作られてわけではないと?
「(苛立って)あのねえ、当然のことながら、発禁処分にしようと思って本を作ったりしないわ。あなたはそう言いたいのかもしれないけど」

ただ、マドンナはセクシャルな面でもショッキングという面でも突き詰めてしまったし、これからはまったく逆のパブリック・イメージを作り出してくるだろうという説もありますが。
「冗談じゃないわ。わたし、そういうふうにきちんと計画たてないのよ。すごく直感的な人間だから。わたしは書きたい曲を書いたの。本はやりたいからやった。『ふーむ、次は修道院に入ることね』なんて考えないわよ。それじゃアーティストとしての自分がだめになってしまう。わたしはインスパイアされて、それに従って行動する。だから将来の予測はできないわ。わたしは自分のためにやるの。他のみんなのためじゃない」

■それにもちろん自分のやっていることが楽しいんでしょうね。
「わたしは仕事が大好きなの(肩をすくめる)」

■あなたの崇拝者たちは、あなたが向こう見ずな外見の下にたぐいまれな感受性を持っていると言います。あなたも常に自分をアーティストと呼んでいますね。自分の感性が人から認められていないことに苛立ちを感じませんか?
「別に。だってほんとに感性のある人はわかってくれるもの。わたしとしてそれだけで満足よ。無知な人たちの意見なんか気にならない」

今回の、このアルバムと写真集は切り離せないように思えますけど。
「そうねえ、でもそれぞれにきちんと独立したものなのよ。・・・・・同時に出すつもりは全然無かったの。はじめはアルバムをもっと早く出すはずだったし、写真集の方は来年出したかった。でも出版社がクリスマス前に出して欲しいって・・・・・クリスマスツリーの下にこんなプレゼントがあったらいいでしょう?アルバムは映画をやったせいで結局遅れちゃって、それで両方同時に出ることになったわけ。アルバム聴きながら写真集見るのもいいけどね。でも片方ずつでも十分楽しめるわ」

■今回のアルバムには、エイズで死んだ友人についての曲が含まれています。エイズ問題を自分の作品の中で直接訴えるアーティストはあまり出てきませんが、そういうことに苛立ちを感じますか?
「エイズを取りあげてる人もいるわよ。でも確かに、わたしくらい名前が知られてる人の中には、わたしみたいにエイズについて発言して、お金を集めようとしている人はいないわね・・・・・アメリカではホモセクシャルとつきあいがあるって知られたら命取りにもなりかねないから、それが大きな障害になってるのよ。わたしがHIV陽性だっていう噂がたったのもそんなに前の話じゃないけど、あれは間違いなく、わたしがゲイ・コミュニティと親しくしていて、彼らの文化に強い影響を受けていることと関係あるの」

■『エロティカ』ではシェプ・ペティボーンとアンドレ・ベッツというプロデューサーと組んでいますが、彼らとの仕事はどのようなパターンで行われるのですか?
「その度に違うの。歌詞は全部わたしが書く。シェップかアンドレがミュージック・トラックをくれて、わたしがそれを聴いて歌詞を書くときもある。わたしの頭に既にメロディが浮かんでるときもある。そういうときは、あたしはインストルメンタルができないから彼らに言うの。『これがわたしの頭で聞こえる音なの』って。歌って聴かせると、彼らがプレイしてくれる。ときにはフレーズひとつしかなくて、そこから作っていくこともあるわ。音楽が完全にできあがっていて、そこに歌詞をつけるだけってこともある」

■どうしてぺティボーンを選んだのですか?
「彼と仕事をするのが好きだからよ(また肩をすくめる)」

■彼と仕事をするのが、っていうこと、それとも彼の仕事が好きだってこと?
「彼と仕事をするのが好きなの。彼が他の人とやる仕事は好きじゃないわ。でもわたしとやる仕事は好き」

■ダンス・ミュージックをもっと意味のあるものにするのも、あなたの仕事のひとつでしょうか。ダンス・ミュージックは薄っぺらで浅はかな、単に体を動かすためだけの音楽と見られがちですが、あなたは単に楽しいだけでなく、もっと感情のこもったものに変えようとしているようですね・・・・・・
「どんな音楽だって薄っぺらなのは同じだわ。その中に何か意味のあるものを入れてあげないかぎりね。ダンス・ミュージックだけじゃない。ロックにだって中身のない曲はあるわ。くだらないフォーク・ミュージックも、くだらないカントリー・ミュージックもある。馬鹿みたいなクラシックだってあるわよ。とにかく、馬鹿な音楽と賢い音楽なんていう区別はないの。いい音楽か悪い音楽か、それだけ。その判断はリスナー次第、それぞれの人が音楽に何を見出すかによるわけだけれど・・・・・ダンス・ミュージックのイメージを変えるのは別にわたしの任務じゃないわ、ひとつのジャンルから他のジャンルに変えるなんてことはね。ただわたしは“ダンス”ってものが好きなだけ。それにいろんなことを表現するのが好きなの。だから両方やってるのよ」

■あなたのやっている音楽は、今でも批評家から過小評価されていると思いますか?
「今のところはイエスね。でも今度のアルバムでそれも変わるかもしれない」

■あなたの国で大統領選挙の結果、民主党政権に変わっても、あなたはレーガン・ブッシュ政権のときと同じように成功を続け、アメリカ人の意識にショックを与えていけると思いますか?
「さあ、でも民主党っていうのは本来アーティストやリベラル、女性運動を支持してきたわ。中絶の権利にしてもね。だから、わたしは祈るしかない。ひとつだけはっきりわかってるのは、ブッシュがこの4年間何ひとつやらなかったってこと。わたしにしてみれば、彼はまるっきり信頼に応えてくれなかったわ」

■ビル・クリントンはアメリカの将来にとって期待できる存在だと思いますか?
「わたしたちが投票できるのは彼しかいないわ。今のアメリカで一番いい選択肢ね。と言っても本当は選択肢なんかないんだけど」

■マドンナ現象と、80年代にアメリカで起きた右翼のホラー・ショー的活動との間に関連があると思いますか。
「抑圧はずっと続いてきたの。いきなり80年代に出てきたわけじゃない。ただますます悪くなってきてるってだけよ。わたしはっていうと、多分20代の頃やってたことの方がショッキングだったんじゃない。でもわたしが男だったとしたら、みんな腹を立てなかっただろうと思うの」

■クリエイティブであることはあなたにとって蛇口の開け閉めのように簡単だという発言を読んだのですが。曲を作り出すプロセスについてもう少し具体的に話してくれませんか?
「その言葉は全然関係のないところから引用されたのよ。実際には、そのときそのときで違うの。あれこれ考え出さない限り、曲を書くのはわたしにとってすごく簡単なこと。いろんなアイデアがとにかくどんどん出てくるの、アイデアがとにかくどんどん出てくるの、蛇口をひねって水が出てくるみたいにね。インスピレーションが湧いて止まらなくなる。かと思うとほんとに進まないときもあるし。そのたび違うのよ」

■あなたが自分について繰り返し言っていることのひとつに、あなたはアーティストだということがあります。エンターティナーに対してアーティストとは何であるのか、あなたなりの定義をしてもらえますか?
「イヤ」

■「イン・ザ・クローゼット」では、マイケル・ジャクソンとデュエットするはずでしたね。どうなったのですか?
「ほんとは一緒に曲を書くはずだったの。でも何度も彼と会って話してから、いいコラボレーションにならないだろうって判断した。それでやらなかったの。わたしたちはすごく違う人間だわ。例えば、彼も世間からすごくひどい仕打ちを受けてると思うけど、わたしたちが批判されている理由はまるで違う。わたしは危険を冒して、言いたいことははっきり言う。わたしはすごく政治的な人間だわ。マイケル・ジャクソンはそうじゃない。彼はエンターティナーなのよ!」

■最近あなたは、『プリティ・リーグ』、『BODY』と2本の映画に続けて出ましたが、これはどういう経緯だったんですか?
「『プリティ・リーグ』はペニー・マーシャルと仕事をしたかったからやったの。それに全員が主人公みたいな映画をやってみたかった。脚本もおもしろかったし、野球も覚えたわ。学生の頃はスポーツって大嫌いだったから、野球もやったことなかったの。『BODY』をやったのは、ウリ・エデルやウィレム・デフォーと仕事をしたかったから。わたしは夫を殺した容疑で裁判にかけられる役。法廷ドラマよ。すごくいい役だわ、多分これまでにやった中で一番ね」

■シャロン・ストーンがあなたに関して、かなり意地の悪い発言をしているんですが、その記事を読みましたか。あなたが『BODY』をやったのは『氷の微笑』の後追いだと言うんです(ストーンはそもそも『氷の微笑』での彼女の演技をマドンナが盗もうとしていると言いたいらしい)。
「その記事は読んでないわね、知らないわ。(冷たく)わたしに言えるのは、『BODY』は『氷の微笑』よりよっぽどいい映画になるってことだけ」

■あなたにとって、いい役を見つける上で一番難しいことは何でしょう?
「今のハリウッドじゃ、誰にとっても役を見つけることは難しいわよ。わたしにとっての問題は、自分でやりたいと思う映画のほとんどが売れるとは思えないようなプロジェクトだってこと。それにわたしの好きな映画はほとんどヨーロッパ作品なの。あたしアメリカ映画って好きじゃないのよ」

■あなたは2年前『ウディ・アレンの影と霧』でアレンと一緒に仕事をしていますね。実際に彼自身を知っていることから、最近彼の家庭に起きたことには身近なショックを感じましたか?
「マスコミで私に関する嘘があまりに多いから、もうわたし誰についても批評はしないようにしてるんだけど・・・・どっちみち、事実は誰も知らないと思う。ミアはほんとに気の毒だわ。あの映画をやってるとき、彼女とはすごく仲良くしてたのよ。今はとにかく、彼女がわたしと同じくらい強い人間であることを祈るだけね。こういうことって、ほんとに人を傷つける。負けてしまったらおしまい。こういう話は実際には自分のことじゃなくて、社会の状態やライターの個人的な気持ちを反映してるものなんだって、だから自分のこととして受け止めちゃいけないんだって気付かなくちゃだめ。わたしもそれがわかるまでには長い時間がかかったけど」

■最近あなたについての記事でよく読むのですが、あなたは見たところとても・・・・・。
「悲しげで孤独な人間だって?」

■そのイメージと自分を結びつけることができますか。それともこれは単にあなたの現象を説明するために作り出された、メディアにとって便利な産物だと思います?
「わたしについて話すとき、メディアはよくそういうイメージを使いたがるわね。例えばわたしはマスコミで“コントロール・フリーク”って呼ばれる。だけどね、コントロール・フリークっていったい何のこと?それがビジネス取引を完全に管理して、そのビジネスをやっていくために必要な情報を全部知っていなければ気がすまない人のことを言ってのなら、そうね、わたしはコントロール・フリークだと思う。でもビジネス界で成功した人すべてに同じことが言えるはずよ。つまり仕事の上でのジェラシーに過ぎないわ。わたしが成功してるから、わたしはとても寂しい人間じゃなきゃいけないって思ってるのよ。すごくパワフルであるためには、わたしはすごく悪い人間じゃなくちゃいけないの。それがわたしのやることを批判し、否定する方法だわ。アメリカでは、成功しながら同時に幸せになることは誰にも許されないのよ。だからいつだって何か悲劇的な話を作り出してきて、みんなに聞かせてあげるわけ」

■あなたはとても競争に強いと見られていますが、あなた以外の非常に力のあるキャリア・ウーマンを見たとき、本能的に彼女たちをライバルと見なしますか、それとも仲間と?
「もちろん仲間だわ」

■ポスト・フェミニスト作家のカミーユ・パグリアが書いた新作“Sex,Art&Amrican Culture”が現在アメリカでセンセーションを起こしていますね。この中で彼女は「デート・レイプ」(※デートに誘うと見せかけてレイプすること)などというものは存在しないと主張しています。また彼女はあなたをネオ・フェミニストにとっての理想の女性と考えていますが・・・・・。
「そうねえ、すごく光栄だわ。だからと言って、わたしが彼女の書くすべてのことに賛成だってわけじゃないけどね・・・・・」

■まぬけな質問ですが、あなたは家とか子供とか夫とか、そういう“普通の”生活を夢見ることはないのでしょうか?
「子供も夫もいる人はたくさん知ってるけど・・・・・彼女たち普通の生活はしてないわよ」

■あなたは常に新しい自分を示そうとしていますが、その望みはいつ終わるのでしょう?終わらせることができるのでしょうか?
「わたしは新しい自分なんか見せてないわ。ただ他のみんなが持ってる考えを表現してるだけ」

■ですが成功ということに関しては、どれくらいまでいけばあなたは満足なのですか?
「それってアートを定義しろって言ってるようなものね。わたしはいろんなことにインスパイアされるの。わたしには自分の考えがあるし、信念があるし、それを表現したいって気持ちがある。『次は何をやろうかしら?どこまでいけるのかしら?どこが限界なの?』なんて考えちゃいないわ。自分に忠実であるかぎり、そして自分のやってることを信じていられる限り、わたしはやり続けるわ」


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