1999年1月に放送された人気トークショー番組「ラリー・キング・ライブ」

さあ、みなさん、今夜、世界で最も刺激的で、最も話題になっている、予測のできない女性と過ごす用意が出来ていますか? 今夜は、一時間たっぷりライブでマドンナと一緒です。これからの一時間、マドンナと特別な時間を過ごしていただきます。彼女を誰か知らないとしたら重大な問題ですよ。

■どうしてマドンナという名前なの?
「マドンナは本名なのよ。母の名前をもらったの。この世界に入って最初の頃はフルネームを使っていたんだけど、Madonna Cicconeは長すぎるんでマドンナだけにしのよ。」

■それは何歳のときから?
マドンナと名乗るようになったのは23歳の時ぐらいね。それまでは名字もついてたわ。

■ マドンナという名前で最初のレコードを出すときはちょっと勇気が必要だったのでは?
そんなことないわよ。とても自然なことだったわ。この名前には色んな意味が含まれていると思ってるの。芸名として使った場合の印象度も抜群でしょ。みんなも芸名だと思ってたみたいね。

■そしてうまくいったんだね。
そう、期待どうりだったの。

■小さい頃からよく歌っていたの?
よく歌っていたというより、よく踊っていたの。聖歌隊や学校のミュージカルで歌ってたんだけど、踊りのほうが好きだったわ。

■今もダンスはあなたのパフォーマンスの一部でしょう?
もちろんよ。でも故郷のミシガンを離れてニューヨークに来たのもダンサーとして成功するためだったんだけど、ちょっとした偶然で歌手に転向したの。

■どんな風に?
ニューヨークでは色んなダンスの団体に入って踊ってたの。でもこのまま苦しい生活を続けていくのかとも思っていたの。

■ブロードウエイのミュージカルかなんか?
ちがうわ、モダン・ダンスよ。

■座員となったんだね。
そうよモダンダンスのね。生活はホントに苦しかったわ。それでオフ・ブロードウェイやブロードウェイのオーディションを受けるようになったの。ダンサーとしてのね。勿論、オーディションで歌うことが要求されるから、そこで歌っていると、君の声は悪くないと言われたの。えっ?ホントに?って感じだったわ。でも歌の勉強を本格的にしたことはないし、歌手などになるつもりはなかったんだけど、それがきっかけだったのかしら。

■ダンサーだったほうがよかったと思ったことはないの?
ダンサー?

■そう、ダンサー。
そんなこと思ってないわよ。現状に満足してるし・・・・・。

■ダンスはそれほど、お金にならないの?
というか、今にずっと満足してるわ。歌手という肩書きでもダンスのトレーニングはできるし、歌はとっても豊かな感情表現の手段だと考えてるわ。

■あなたは、演技もするシンガーなのか、それとも歌って踊れる俳優なの?あなたの正体は?
わかんないわよ。

■正体は?
(笑い)

■どっちが先に来るの?
むずかしいわね・・・・・。私は自分のことをパフォーマンス・アーティストだと思ってるの。ポップスターだと呼ばれるのは嫌いなのよ。。もともとダンサーとしてスタートしたから、最初にダンサーだと考えてるわ。

■パフォーマンス・アーティストというのはいいんじゃないの。
そうね、範囲が広いし、すべて含んでるから好きよ。

■確かに演技も含むよね。
すべてを含んでるし、いつも演技をしなくちゃいけないから。

■これだけの名声を手に入れてそれを楽しんでる?アーティストとしての名声は求めてないようだけど。
成功する前は、名声の代償がどういうものかまったくわからないものよ。有名になってはじめて、それに気づくのね。

■その一番悪いところは。
一番悪いことは、多くの人が言うようにプライバシーがなくなること。そしてミスを犯すことが出来なくなること。なにかすれば、こと細かに検証され批評されること。

■だから色々隠してるんだね。
うーん・・・・。

■プレスリーがしていたように。
プレスリーはそうだったの?

■ジャッキー・グリーソンは彼に「隠していいものは何もない。堂々と振る舞え」と言ったんだよ。
私は隠れてなんかないわよ。散歩にも行けば、映画館にも行くわ。

■みんなに顔が知られていることは好きですか。
吹き出物ができているときは、気づかれたくないわね。その時の気分によるけど。散歩しているときなんかは、だれにも気づかれたくないし、旅行の時は特にそうね。せっかくどこかへ行っても、普通の人たちのように、街の景色を楽しむなんてとてもできないから。

■観光客になりたいんだね。
そうよ。見られるんじゃなくて見たいのよ。

■では一番いいことは?
服を買う必要がないことかしら。

ただでもらえるの?
そうよ、最高よ!

■デザイナーが着て欲しいと言ってくれるの?
今着ている服もそうよ。

■それももらったの?
グッチのレザージャケット。タダよ。

■グッチならもらう価値があるんだね。
そうね。それにこれは一種の私たちの約束なのよ。わかるでしょ。

■子供のころは貧しかったの?
貧しいとは言わないけど、中の下というところぐらいだったわね。大家族だったの。

■八人兄弟。
そうよ。

■一番上なの?
長女だけど、兄が二人いるわ。

■大家族は好き?
好きよ。でも8人生みたいとは思わないわね。

(笑い)

■子供時代経済状態がどうだったか聞いたけど、今欲しいものは何でも買えるというのはどんな感じかそれを聞きたかったんだよ。
清教徒的な厳格な育てられ方をしたんだけど、今もそんなに買い物に興味はないわ。逆に控えすぎかも。

■いまでもセールという文字に引きつけられる?
いいえ。セールにも行かないわ。財布のヒモがかたいというか、もともと浪費を楽しめる性格ではないのよ。

■どれだけ使えてもそうなんだね。
そうね。ときどき自分にお金があることも忘れてしまうわ。

■映画のことを始め、聞きたいことは山ほどあるんだよ。これまで特別な人生を歩いてきたよね。
素晴らしい人生に恵まれたわ。

■プラスのことの方がずっと多いんでしょう?
勿論よ。さっき有名人でいることのマイナスの話が出たけど、私は自分の人生を誰の人生とも交換したくないわ。

■ショーン・ペンとの結婚はもの凄く注目を浴びたけど、彼はそれがイヤだったんでしょう。
そうね。

毎日のようにタブロイド紙に出ていたよね。
仕事が注目されるのは好きだけど、結婚そのものに注目がいくことは、私もイヤだったわ。

■彼もイヤだったんだよね。
とても嫌がってたわ。

■二人は今も友達?
そうよ。

■彼の人生はあれで良かったと思ってる?
ええ。彼は立派な俳優だし、立派なキャリアを築いたわ。彼と知り合えたことをとても誇りに思ってるわ。

■あなたのその経験は、いま振り返ってみてプラスになったと思う?プラスに受けとめる人も、そうでないと受けとめる人もいますよね。
多くのことを学んだわ。ごめんなさい、あまり腕を動かしてはいけなかったわね。

■そう、グッチのレザーコートをマイクにぶつけないようにね。
グッチのレザーは大きい音がでちゃうのよ。彼からは多くのことを学んだわ。人間として俳優として素晴らしいものを持った人だし。残念なことに私たちの結婚はうまくいかなかったけど、あの結婚を後悔したことはないわ。

■母親になったことについては?
もちろん後悔してないわ。

■いつも頭にあるのはまずそのこと?
想像していた以上に素晴らしいものだったの。

■マスコミはともかく誰か子供の父親になってくれる人を捜していたと報じていたけど、本当にそうだったたの?
まったく違うわ。カルロスとは二年間付き合ってそれから妊娠したの。彼とはホントに愛し合ってたの。どこからそんな噂が出てくるのか、本当に不思議ね。そんな噂は、私や彼に対してとても不公平よね。

■彼はいい父親?
素晴らしい父親よ。

子供には会っているの?
もちろんよ。

■母親であることのどこが一番好きなの?37歳になっての子供でしょう。
出産時は38歳だったわ。子育ての一番素晴らしいところ。そうね、毎日が驚きの連続ということね。毎朝、娘が私をキスで起こしてくれるのはとても素敵なことだし、彼女の目を見ていると幸せな気分になるし、彼女が色んなことを吸収しながら成長してゆく過程をみるのも幸せよ。

■かわいいねえ。
かわいいでしょう。

でもあなたは公演であちこちを飛び回っているんでしょう。
今のところは、行く先々に連れていってるわ。

■学校へ行くようになったらどうするの?
一カ所に落ち着くわ。4歳から学校に通うようになったあとは今のように各地を飛び回るような生活はしないわ。一週間くらい娘を自宅に残してどこかへ行くようなことはあると思うけど、長期間に渡って、離ればなれになったり、学校を休ませたりすることはしないわ。

■今はどうしようもない2歳児なの?
そうよ。彼女がどうしても欲しいと駄々をこねて床にひっくり返って騒ぐものがふたつあるの。

■それで言うことを聞くの?
いいえ、与えないわよ。

中西部の人たちは言うことを聞いてやらないんだね。私たちユダヤ人は言うことを聞いてやるよ。
本当に?

■なぜ聞いてやらないの?
それはよくないからよ。

■それは私の妻も言ってるけど、子供がこうしてと言っているときにどうやってダメと言うの?。
だって子供には躾が肝腎でしょ。いつも子供の言うことを聞いていたら人生を子供に振り回されてしまうわよ。ラリー、しっかりしなきゃ。

■でも厳しくするのはつらいでしょ? 特に40歳の母親にとっては・・・・・・。
ガムちょうだいと言われたときには私だってあげるわよ。でもテレビは絶対に見せないの。

■テレビを見せないの?
見せないわよ。このインタビューも見てないわ。

どうしてダメなの?
子供は何にでもクセになるし、テレビ中毒にしたくないのよ

■セサミストリートも?
ダメよ。彼女の人生の中にバーニーはいないの。

バーニーも知らないの?
知らないわよ。

■意地悪とは思わない?
そんなことはないわよ。私だって子供の頃テレビは見てないわ。娘は本が好きで想像力も豊かでよくしゃべるし、記憶力もいいのよ。テレビを見ていたらこうはならないわ。

■それでは自分は子供から何かを取り上げているんだとは思わない?
バーニーのどこが面白いの?大きな紫色というだけじゃない。

私にも分かんないけど。確かにバーニーは紫だね。
バーニーは紫だっけ?それとも黄色だっけ?よく覚えてないわ。

紫だよ、バーニーは。
黄色はビッグバードね。思い出したわ。

(笑い)

(エロティカのビデオが流れ始める)

マドンナ: Erotica, romance, erotica.

(ビデオが終わる)

■今のはエロティカからの一シーンでした。マドンナというと、みんな、 シンガーで女優ということのほかにセックスのことを思いうかべます。それは あなたがそうしたんですね。本も書いたでしょう。
セックスの本を書いたのではなくて、社会に反抗する意味を込めた からかい半分のフォト・エッセイ集を出版したのよ。

■これを見てということだね。
そうよ。

■そして、実際本はよく売れたし、大きな反響をよんだよねえ。
腹を立てた人もたくさんいたわ。

あなたの人生に影響はなかったの?
たぶん影響はあったと思うわ。つまり、私がやってきたこと すべてが、私のキャリアに影響しているということね。

■あんなことしなかった方がよかったのにというマイナスの影響もあったのかな?でしょうか。
あきれた人たちも確かにたくさんいたわね。

■お嬢さんが大きくなってあれを見たらどう思うかね?
私の裸なんか毎日見てるから、今さら驚かないでしょう。

彼女が嫌がるとは思わないんだね。
そうは思わないわ。それに私のことや私のユーモアのセンスをよく分かっていたら、この本が卑猥な夢物語のセックスのことではないことがよく分かると思うわ。

パロディーのようなもの?
ええ、からかい半分の本なのよ。娘も分かってくれると思うし、説明もするわ。 

あなたはいつもデニス・ロッドマンとか、ウォーレン・ビーティーとか有名人のつき合いが取りざたされるけど、そのことについてはどう思ってる?
つき合ったのは有名人も普通の人も同じくらいよ。

■そうした有名人とつき合っていることが何かプラスになっていると思う?
私のキャリアは自分の力で築いたものよ。他の人の力なんて必要なかったし、実際お世話になったことなんかないわ。確かにつきいは有名人の方が楽ね。写真をとられても動揺しないから・・・・・

■そうだね
それに何を書かれても動揺しないし。でも追いかけ回されれば 誰だって最後には疲れてしまうわ。とにかく有名人であれ普通の人であれ、この業界の人間とつき合っていくのは大変だと思うわ。

■結婚したい?
分かんないわ。

■どうして?
結婚の意味、そして結婚の意義って、何だろうと思うことがあるのよ。

絆を作りあげるといういい伝統だとは思わない?
私はロマンチストだし、真実の愛や生涯の伴侶にめぐり合うという考え方は分かるんだけど、結婚の意義って何なのかしら?

■貴方にはわからないということだね?
分からないわ。自分の中でも色んな意見が対立してるの。 結婚は聖なる儀式で、美しい伝統なんだという考えもあるけど、女性が自立して生活できない時代、男性に養ってもらうために交わした契約と考えるときもあるのよ。こんな意見が色々対立しているのよ。

カトリック教徒としては、結婚したいと思うところもあるんだろうね。
カトリック教徒としての自分は、ロマンチックな部分の私なんだけど・・・

好きな人が出来て、その人が結婚したいと言ったら?
その時になったら考えるわ。 



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